http://ift.tt/XazlDa藁工ミュージアム HOW TOブリコラージュ展開催のごあいさつこのたび藁工ミュージアムならびに素展実行委員会は、障がいのある人の創作表現活動の可能性を多角的に探る展覧会「素展~Resources~」第2会場として、「素展meets現代地方譚/HOW TO ブリコラージュ モノと対話すること ものに語らせること-」を開催いたします。各地の福祉事業所/アトリエにて創作活動を行うアーティストより梅木鉄平、堀江佳世、本田雅啓、宮崎親徳の4人、そして、昨年度高知県須崎にて開催された『現代地方譚 アーティスト・イン・レジデンス須崎』(すさきまちかどギャラリー)参加のアーティストである川鍋達、小西紀行、COBRA、竹川宣彰、竹花綾、横田章の6人という、10のアーティストによる作品世界を、ブリコラージュという観点を交えてつなぎ、みなさまに楽しんでいただける機会となれば幸いです。フランスの文化人類学者クロード・レヴィ・ストロース(1908-2009)による1960年代の名著『野生の思考』で知られる「ブリコラージュ」。このブリコラージュという言葉を巡り当書著述内にある、一文をここでご紹介します。「ブリコルール(ブリコラージュを行う人)は、ものと「語る」だけでなく、ものを使って『語る。』」ものに溢れた現代社会において、ものと「語り」、ものに「語らせる」という力は私たちからどんどん薄れているのではないでしょうか。アートとはこのことが成立する現場として今や、貴重な位置を占めているのかもしれません。梅木鉄平の創りだすテープの造形、堀江佳世が日々のニュースや身の回りのものや人を記す絵と字の画面、本田雅啓の草の生長を見守りながら描いた絵、宮崎親徳が布柄に呼応して描く絵や板絵といった作品には、それぞれにもつ独自の、ある種呪文のような静かな対話と語りの世界があります。一方、慣れ親しむ町やアトリエを離れ、須崎という海辺の町で2週間滞在しそこでの取材・素材から制作された現代アーティストたちの作品、川鍋達が空間の揺れ動く境界を可視化しようとした色柱(本展では代替の作品展示を行います)、小西紀行が須崎の民話を知ることを通じ生み出した数々のイメージ、COBRAが都市生活とかけ離れた須崎という町を架空世界に閉じ込めようとする行為、竹川宣彰が海の経済事情のアイロニーを込めて造形した櫂の算盤、竹花綾が民家で使われていた建築資材を使い創り出す巨大な壁(本展では、会場にて再制作が行われました)、横田章が土地の言い伝えや登山を通じて形づくった画面、といった作品は、普段の作家たちの仕事と通低しながらも、須崎という大きな自然を有する未知の町の磁場に影響され、呼応し、より生活範囲の知性における強度を増したブリコラージュ的面白みに満ちた作品として立ちあらわれたということがいえるかもしれません。ものと語り、ものに語らせていくアーティストたちの姿を思い浮かべつつ、ぜひとも、それぞれの語る作品世界をご堪能いただけると嬉しく思います。最後になりますが、『現代地方譚』という高知県内の新しいアートの動きに連動する企画として本展が成立するきっかけを与えて下さり、また本展開催に多大なご尽力をいただいたアーティストの竹﨑和征氏および、協力をいただいたすさきまちかどギャラリー、また、葦の家、株式会社愉快studioCOOCA、非営利活動法人まる 工房まる、社会福祉法人JOY明日への息吹アトリエブラヴォ各施設・スタッフのみなさまに深く感謝を致しますとともに、本展開催にむけてご協力、ご尽力賜りました多くの個人、団体のみなさまに、心より厚く御礼申し上げます。2014年9月13日藁工ミュージアム素展実行委員会 from 【現代地方譚 アーティスト イン レジデンス須崎】 @machikadogalley
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