吉例顔見世大歌舞伎「源平布引滝 実盛物語」
歌舞伎座で昼の部に「源平布引滝 実盛物語(げんぺいぬのびきのたき さねもりものがたり)」が上演されます。
平成27年11月1日(日)~25日(水)
昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時30~
<実盛物語は葵御前を助ける平家方の斎藤実盛の恩情と苦しみの話。
平家全盛の時代、琵琶湖の畔にある九郎助夫婦の家に実盛と瀬尾十郎が検分役として訪れる。この家には源氏再興を目指しながらも命を落とした木曽義賢の妻、葵御前が匿われており実盛と瀬尾は、葵御前が産む義賢の子が男であれば殺すよう清盛の命を受けていた。既に駒王丸を産んでおり、追い詰められた九郎夫婦はさきほど拾ってきた白旗を掴んだ女の片腕を葵御前が産んだとさし出す。それに憤った瀬尾が去っていくと、残った実盛は白旗を守るため小万と名乗る女の片腕を切り落としたと語り始める・・>
絵金蔵収蔵品には「源平布引滝 松波検校琵琶(まつなみけんぎょうびわ)の段」があります。
<鳥羽離宮へ幽閉されている後白河法皇のもとに平重盛の命により琵琶法師松波検校と偽り源氏の侍、多田蔵人行綱が盲人を装い出仕する。娘小桜は腰元として御殿に入っており、父に母の待宵が清盛を打ち損じ惨殺された事を告げる。行綱は仇を討とうと屋敷の奥へ・・
一方御殿を警護する三人の仕丁達は寒さを凌ぐため、帝の愛する紅葉の枝を折り焚火をするが帝は咎めず酒を賜る。酔うほどにそれぞれ笑い、泣き、怒り上戸となり、怒り上戸の平次(実は平家の侍 難波六郎)は小桜を捕え父の名を言えと責め、通りかかった行綱は驚く。平次は行綱に琵琶一曲を所望する。行綱はやむなく琵琶を取りあげるが娘の折檻を前にしては音色が乱れてしまう。その隙をみて平次は行綱に斬りかかるが難を逃れた行綱は、小桜の死骸を小脇に紅葉山へ逃れてゆく。>
娘を前にし苦渋の心を悟られまいと琵琶を手にとる松波検校。撥を落とす姿からこの後こらえかねた検校が階段を転び下り泣きながら娘を抱きしめ、行綱としての正体をあらわす直前を描いたものと思われます。
責められる小桜の妖しい美と苦悩する検校の悲劇性が劇的であり、責め立てる怒り上戸は迫力があります。
詳細は、歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人(びと)」をご確認ください。
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